童仙房開拓 百年の歴史


序   文


 江戸時代、何れの領地何れの村にも属していなかった無住の山地が、明治初年、府の開拓計画によって開かれ道路を作り荒地を耕地に溜池に更に学校神社寺院を建築建立して面目を一新してより今日で百年をむかえました。
 しかし童仙房が今日のように成長発展致しましたのも一朝一夕に得たものでもなく、ましそや座して与えられたものでもありません。私達の祖先が、この地を永住の地と定め貧苦とたたかい、たゆみない努力と、強固な精神とによって、みずからの手によりつくり上げたものであります。
 殊に昭和28年の災害により郷土の生命線とも言うべき道路は壊滅的な打撃を受けましたが極めて短年月のうちに復旧し蜷川京都府知事をはじめ村当局等関係各位のあたたかい御援助御指導とによって村道の重要部分並に人家密集地帯道路の舗装工事も開拓百年記念事業として完成し、将来への発展繁栄をあたかも祝福しているが如きであります。
 百年を経た今日、私達は改めて先人達の努力に感謝すると共に、長い苦難の歴史を通じ、その経験と教訓を十分生かして、更に繁栄と進展のために力をあわせて努力致したいと存じます。


昭和44年4月


童仙房区長

童仙房開拓百年祭実行委員会




次のページへ