童仙房開拓 百年の歴史


【特 産 物】



 当地の特産物として気候、土質から良質な香り高い茶が多量に産出し、童仙房茶として群内、府下でも有名である。近年抑制栽培のトマトにも力を入れ、大河原トマトとして出荷され、その品質も地方ものトマトより良く、今後もさらに量産されていくものと思われる。林産物として木炭があるが燃料の近代化とともに年間生産量も減少している。その他秋の味覚とも言うべき松茸などがある。



【童仙房焼】


 当地に開拓当初より童仙房焼と称する陶器が焼かれた。当地は良質粘埴土を豊富に産する故に明治開拓の当初 業を始められたのである。当地窯はニケ所あり陶工清水亀七(亀山と号す)其の他30余名あり絵工と共に京都より来住し盛んに製作された。家具茶器の類壺等を製作し京都府庁を始めとして総て官公衛の所要器物一切を特に下命納入させた。一は此の地における斯業の発展を計画せられたとのことである。然るに他地方の交通運搬漸く利便なるにつれて此の他の窯業も益々振わず遂に幾許もなくして製作を中止された。家具茶器の形状色彩等精巧を極め当時イタリヤにおいて開催された万国博にも出品され浮き出した色彩光沢等においては実に驚くの外なく、現在においては時代的な渋味も現われて雅致すべきものなるに返す返えすも遺憾である。窯業は宮の下に残存し作品は各所に散在して童仙房焼として光彩を放っている。



前のページへ    次のページへ